【夏目 球子  005】 任意売却で引っ越し費用を保証!?

住宅ローン難民の方の中には、ご自身で任意売却についてインターネットなどで調べられている方もおられます。
そして一通り調べた後に私達、エールプランナーに相談に来られた際に、「こちらでは引越費用はいくら残してくれるのですか?」と聞いて来られる方がおられます。
しかし、任意売却を進める上で引越費用の確保を保証するということは本来できるはずがないのです。
それでもインターネット上では一部の任意売却を扱う業者などが「引越費用〇〇円保証!」といった文言を記載しているため、上記のような相談をされる方がおられるのでしょう。
ここで任意売却を進めるに当たっての引越費用について少しお話させていただきます。

引越費用の出所は?
任意売却というのは住宅ローンの残債がご自宅の売却価格を上回る(オーバーローン)状態で売却するという性質上、ご自宅の売却代金については債権者(金融機関やサービサー)が回収に充てる為、引越費用に関しては売却代金の中から控除するかどうかの決定権を持っているのは債権者なのです。
売却代金の中からいくらかの引越費用を控除できる場合もありますが、引越費用を控除するかどうかについては債権者によってもその対応が異なります。さらに同じ債権者でもケースによって対応が違っている為、任意売却を進める前の段階で引越費用を保証というのは不可能ということになります。

ご自宅の売却代金の中からの引越費用の確保が保証できないとなると、どのようにしてこれを保証するのでしょうか?

任意売却業者が引越費用を捻出?

任意売却で無事に売却ができた際に、その売却代金の中から不動産仲介手数料を債権者が控除し、仲介業者はそれを得ることになるのですが、先述のように引越費用の控除が出来なかった場合は、この仲介手数料から捻出しない限りは「引越費用〇〇円保証!」といった文言を記載することはできないはずです。

しかしここでも、不動産仲介手数料は宅建業法で業者が得ることのできる上限が定められているのですが、あくまでも「上限」が定められているだけですので、仲介手数料に関しても業者が定まった金額を得られるという保証はないのです。事実、一部の債権者は売却代金の中から控除する仲介手数料に関しては独自で割合を決めていることがあり、その割合は宅建業法で定められている上限に比べかなり少ないため、この場合、仲介業者が得られる手数料は少しになってしまうことがあります。

また、家の立地や状態、築年数によっては仲介業者が得られる仲介手数料は十数万円になることももちろんあり得ます。この場合、保証していた引越費用が得られる仲介手数料を上回ってしまいかねません、つまり仲介業者は赤字になってしまうのです。
赤字になってまで引越費用を確保する業者がはたして存在するのでしょうか。

さらに言うと、もちろんこの仲介手数料は家が売却できた際に得られるものですので、そもそも確実に売却できる保証のない任意売却に関して言えば仲介手数料でさえ得られるかどうかは不確定なものなのです。

「引越費用〇〇円保証!」は信じてはいけない!
以上から、任意売却の引越費用に関しては個々によって全く変わってくるものですので、相談前の段階で保証できるはずのないものです。
つまり「引越費用〇〇円保証!」といった文言は案件を少しでも多く確保したい業者の謳い文句と疑ってかかるほうが良いでしょう。

Filed under: 住宅ローン難民 — 御坊夏目 11:37 AM

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