【仁科秀治006】任意売却後の残債は?

住宅ローン難民の方の相談を聞いている中で、ほぼ全員の方が口にするのが
任意売却後の住宅ローンはどうなるの?  です。

自宅を売却してもまだ借入が残ってしまう任意売却では残債の支払い義務は残るのですが、(自己破産をした場合を除く
もちろん、今まで支払ってきた住宅ローンの月額を支払うことなんてできるはずがありません。
そもそもその支払いができないからこそ任意売却を選択しているわけなのですから。

これは債権者も十分に承知しているので、無理に支払わそうとしてくることはありません
では、どうなるのか?

任意売却後の残債に関しては、金融機関に対し「毎月支払い可能な金額を弁済」することになります。
金融機関によって対応は異なりますが、基本的には任意売却後、金融機関に対し現状の収支の状況を大まかに伝えていただき、その中で毎月無理のない範囲で支払える金額を提示することになります。
生活状況は皆さん様々ですので一概には言えませんが、1万円や2万円を支払っていくという形が多いです。

このようにして金融機関と毎月の金額についての支払い金額を決め、それを毎月支払っていくというのが任意売却後の残債の流れとなります。

しかし、この流れには実は続きがあります。

ここからは、債権者つまり金融機関側のお話をします。

任意売却後の無担保の貸付、尚且つ、毎月入ってくる金額も少しずつとなるとそのような債権は早期に手放してしまいたいと考えます。

ではどのようにして手放すのか、
それは他の債権回収会社にその債権を売却してしまうのです。これを債権譲渡というのですが、
ここが大きなポイントで、債権を買う側にしてみれば、そのまま残債の金額で購入するはずがありません、無担保で毎月支払ってもらえる額もわずかなのですから当然です、なので債権譲渡では残債の額の2%や5%といった金額で債権を買い取っているのです。

例えば任意売却後に1,000万円の残債があった場合、その残債が10万円~50万円程で新たな債権回収会社に売却されることになります。
債権を買い取った新たな債権者はその債権額に利益を上乗せして回収することになりますが、上の例の場合10万円~50万円ほどで買い取っているわけですから、例えば100万円も回収すればかなりの利益となります。
このようにして1,000万円回収する権利はあるけれども100万円支払っていただければ債権は放棄します。といった流れになるのです。

債権譲渡に関してはどのタイミングで行われるかは債権者次第ですし、金融機関によっては債権譲渡を行わない場合もありますが、ほとんどのケースでは上記のような流れで任意売却後の残債は処理されています。

Filed under: 任意売却,住宅ローン難民,川越第一:基地 — 仁科 秀治 1:36 PM

【仁科秀治005】任意売却で引越費用を保証!?

住宅ローン難民の方の中には、ご自身で任意売却についてインターネットなどで調べられている方もおられます。
そして相談に来られた際に、「こちらでは引越費用はいくら残してくれるのですか?」と聞いて来られる方がおられます。
しかし、任意売却を進める上で引越費用の確保を保証するということは本来できないです

それでもインターネット上では一部の任意売却を扱う業者などが「引越費用〇〇円保証!」といった文言を記載しているため、上記のような相談をされる方がおられるのでしょう。
ここで任意売却を進めるに当たっての引越費用について説明します。

 

引越費用の出所
任意売却というのは住宅ローンの残債がご自宅の売却価格を上回る(オーバーローン)状態で売却するというかたちなので、ご自宅の売却代金については債権者(金融機関やサービサー)が回収に充てる為、引越費用に関しては売却代金の中から控除するかどうかの決定権を持っているのは債権者です。

売却代金の中からいくらかの引越費用を控除できる場合もありますが、引越費用を控除するかどうかについては債権者によってもその対応が異なります。さらに同じ債権者でもケースによって対応が違っている為、任意売却を進める前の段階で引越費用を保証というのは不可能ということになります。

ご自宅の売却代金の中からの引越費用の確保が保証できないとなると、どのようにしてこれを保証するのでしょう?

 

•任意売却業者が引越費用を捻出
任意売却で無事に売却ができた際に、その売却代金の中から不動産仲介手数料を債権者が控除し、仲介業者はそれを得ることになるのですが、先述のように引越費用の控除が出来なかった場合は、この仲介手数料から捻出しない限りは「引越費用〇〇円保証!」といった文言を記載することはできないのです。
しかしここでも、不動産仲介手数料は宅建業法で業者が得ることのできる上限が定められているのですが、あくまでも「上限」が定められているだけですので、仲介手数料に関しても業者が定まった金額を得られるという保証はないのです。事実、一部の債権者は売却代金の中から控除する仲介手数料に関しては独自で割合を決めていることがあり、その割合は宅建業法で定められている上限に比べかなり少ないため、この場合、仲介業者が得られる手数料は少しになってしまうことがあります。

また、家の立地や状態、築年数によっては仲介業者が得られる仲介手数料は十数万円になることももちろんあり得ます。この場合、保証していた引越費用が得られる仲介手数料を上回ってしまいかねません、つまり仲介業者は赤字になってしまうのです。
赤字になってまで引越費用を確保する業者がはたして存在するのでしょうか。

さらに言うと、もちろんこの仲介手数料は家が売却できた際に得られるものですので、そもそも確実に売却できる保証のない任意売却に関して言えば仲介手数料でさえ得られるかどうかは不確定なものなのです。

 

「引越費用〇〇円保証!」は信じてはいけない!
以上から、任意売却の引越費用に関しては個々によって全く変わってくるものですので、相談前の段階で保証できるはずのないものです。
つまり「引越費用〇〇円保証!」といった文言を使っている業者は注意が必要です。

Filed under: 任意売却,住宅ローン難民,川越第一:基地 — 仁科 秀治 2:37 PM

【柴田文江023】媒介契約制度とは?

任意売却に限らず、不動産の所有者が売却を依頼するときには、依頼する不動産会社と媒介契約を締結します。

媒介契約書には「専属専任媒介契約書」「専任媒介契約書」「一般媒介契約書」の3種類があり、
各契約書によって定められた事項が違います。
不動産会社と媒介契約を締結する際には、詳しくその違いの説明を受け、契約内容を十分に理解したうえで契約する必要があります。
それぞれの契約内容にどういった違いがあるのでしょうか?

・専属専任媒介契約
依頼者は、目的物件の売買又は交換の媒介又は代理を、依頼する不動産会社以外の宅地建物取引業者に重ねて依頼することができません。依頼者は、自ら発見した相手方と売買又は交換の契約を締結することができません。依頼を受けた不動産会社は、目的物件を国土交通大臣が指定した指定流通機構(レインズ)に登録しなければなりません。また、依頼者へ1週間に1回以上販売・問合せ状況の報告をしなければなりません。

・専任媒介契約
依頼者は、目的物件の売買又は交換の媒介又は代理を、依頼する不動産会社以外の宅地建物取引業者に重ねて依頼することができません。 依頼者は、自ら発見した相手方と売買又は交換の契約を締結することができます。
依頼を受けた不動産会社は、目的物件を国土交通大臣が指定した指定流通機構(レインズ)に登録しなければなりません。また、依頼者へ2週間に1回以上販売・問合せ状況の報告をしなければなりません。

・一般媒介契約
依頼者は、目的物件の売買又は交換の媒介又は代理を、複数の宅地建物取引業者に重ねて依頼することができます。依頼者は、自ら発見した相手方と売買又は交換の契約を締結することができます。依頼を受けた不動産会社は、目的物件を国土交通大臣が指定した指定流通機構(レインズ)への登録義務はありません。依頼者への販売・問合せ状況の報告の義務も無くなります。

以上のような違いが媒介契約にはあります。

任意売却を進める上では、一般的な売却と違い、貸出先のローン会社や金融機関との話合いが必要となります。
交渉の窓口を一本化するという意味において、専任媒介契約か専属専任媒介契約を結んで進めることが一般的ですし、金融機関が専任媒介契約か専属専任媒介契約でないと任意売却に応じないケースもあります。
また、任意売却は、借金や離婚など様々な事情が重なっているケースもあります。
専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、そのような情報があちこちの不動産会社などに公開されることなく進める事が出来ますので精神的な負担も軽減されます。

これらの理由で、任意売却を進める上では専任媒介契約か専属専任媒介契約を締結することが多いのですが、
金融機関によっては一般媒介契約で複数の不動産会社で進めるよう指示してくる場合もあります。

いずれの場合でも肝心なのは、任意売却では、単なる不動産売買だけでなく、今後の生活なども含めて信頼して相談が出来る会社を選んでお任せすることが必要なのです。

Filed under: 任意売却,各基地,梅田:基地 — 中川 強 5:59 PM

【柴田文江022】競売の流れ

住宅ローンの返済が3か月~6か月(金融機関によって異なる)滞ると、
金融機関から「期限の利益の喪失」を迎えた旨が記載された催告書が届きます。
「期限の利益」が失われてしまうと、住宅ローンを一括で返済しなければならず、
一括返済が出来なければ、保証会社が銀行に対し債務者の代わりに一括でローンを支払う、
「代位弁済」が行われます。
代位弁済後は保証会社が債権者となり債務の履行を求めてきますが、このタイミングでは、
今までのような、月〇〇万円といったような分割での返済は認められなく、一括での返済を要求されます。
多くの場合、一括で支払える方はいませんので一括での返済がなされなければ、
保証会社は裁判所に対して「競売」の申し立てを行います。

保証会社が競売の申し立てを行う前に、債務者から任意売却の意思表示をすれば、
保証会社も競売ではなく任意売却での手続きへと移行するのですが、
今回は任意売却を選択しなかった場合、競売の流れを説明します。

①競売開始決定通知が届く
債権者(保証会社)が裁判所に競売の申し立てを行うと、自宅に対し裁判所から差押の登記がなされ、
債務者のもとには競売が開始された旨が記載された「担保不動産競売開始決定通知書」が届きます。

②現況調査が行われる
競売開始決定通知が届いてから約1か月の間に、まずは裁判所から不動産の現況調査についての通知があります。
「〇月〇日に現場を訪問します、都合が悪ければいつなら大丈夫ですか?」といった内容です。
きちんとやり取りをすればある程度の日程の調整は可能ですが、
もし、返答もせず家に入らせないと拒否をしたとしても、
法律に基づき執行官と不動産鑑定士は鍵を強制的に開けて調査を実施します。
調査項目は「現在誰が住んでいるのか」、「建物に不具合はないか」、「測量図などと現況に相違はないか」等の項目で、居住者に対しての聞き取りの調査も行われます。物件内外の写真の撮影も行われます。

③配当要求終期の公告
現況調査と同時期に裁判所内にて「配当要求終期の公告」が掲示・公開されます。
配当要求終期の公告とは、裁判所内に物件目録を公告し、競売申立債権者以外にも債権がある債権者に対し、
裁判所に対して申し出てくださいという意味合いの物です。
競売の申し立てが行われた際には、配当要求の終期を定め、それを公告することが義務付けられています。

④期間入札決定の通知が届く
現況調査、配当要求終期の公告から2~3か月後に債務者のもとには「期間入札通知」が届きます。
期間入札とは、文字通り入札者を募集してから改札するまでの期間の事です。
各裁判所によってその期間は決められるのですが、多くの場合は1週間~2週間です。
この期間入札がいつからいつまでなのかというスケジュールが債務者のもとに届くのです。

⑤競売の公告
入札の3週間前には競売の物件の公告がなされます。
裁判所内やインターネットにて、不動産鑑定士が行った現況調査に基づいて算出された評価額等が公開されます。
公開される内容は大まかに
・物件明細書(所在地や買受人が引き継がなければならない権利、その物件を特定するものが記載されています)
・現況調査報告書(不動産鑑定士が行った現地調査等の内容が記載されたもの)
・評価書(現況調査等に基づき算出された評価額が記載されたもの)
等が公開されます。
入札希望者はこの情報をもとに入札金額を決定します。

⑥期間入札開始
入札希望者はこの期間内に保証金を支払い、書類などを用意して封筒に入れて裁判所に提出することになります。
保証金は売却基準価額の10分の2以上の金額を指定口座に振込しなければなりません。
詳細な保証金額については、期間入札の公告に記載されている「買受申出保証額」で確認することになります。
入札保証金の振り込みが済めば、指定された期間に入札が可能になります。

⑦開札、落札者の発表
執行官によって開札がおこなわれますが、
原則として3開庁日後の売却決定期日(入札締切日の約1週間後)に結果が開示されます。
ここで、「最高価買受申出人」が決定します。
それ以外の入札人の保証金は返還されます(入札した人(買受申出人)全員に、郵送で通知が届きます)。
不動産の期間入札は、競売の債務者以外の人なら参加することができます。

⑧売却許可決定(買受人の確定)
最高価買受申出人が裁判所に代金を納付すると、裁判所の嘱託登記により所有権の移転が行われます。

以上が大まかな競売の流れです。
競売は一般的に市場価格の6~7割の価格で売却されてしまいます。
また、情報が周囲に知られてしまう等、債務者にとっては多くのデメリットが存在します。

競売になる前に住宅ローン難民エールプランナーに相談をし任意売却を選択する事が、
再出発の足掛かりとなります。
迷わずすぐにご相談ください。

Filed under: 任意売却,住宅ローン難民,各基地,梅田:基地 — 中川 強 4:36 PM

【柴田文江021】住宅ローンは家賃と同じ?

不動産会社がポスティングするチラシに、
「今の家賃と同じ額でこんな物件が買えます!」
といった文言をよく見かけます。

例えば、8万円の家賃を支払っているのならば、
毎月8万円の返済でローンを組めば、賃貸ではなく自分の持家が手に入る、ということなのでしょう。
確かに、賃貸で家賃を毎月支払っていてもいつまでも自分の家にはなりませんが、
ローンで購入し、それを完済すれば名実ともに自分の家になり、資産となるわけですから。
このようなチラシの売り文句は一見、正しいように見えます。

しかし、この売り文句には大きな危険がひそんでいます。
それは、「リスク」という部分に関して一切目を向けていないのです。
住宅ローンは完済するまでは銀行の抵当権が必ず付いています。
つまり、何らかの理由で住宅ローンの支払いができなくなれば抵当権を実行され、
自宅は競売にかけられてしまうのです。
いくら登記簿上の所有者だからといっても抵当権が残っているうちは、
それこそ売却してもローンを完済できないような状態(オーバーローン)であれば、
自由に売ることもできないので。そういう意味では持家とはいえ権利上、銀行より立場が弱いのです。

そしてこの住宅ローンは35年なら35年、基本的には支払い額が変わりません。
つまり、住宅ローンを組んだ時の状態を35年間維持しなければならないのです。
転職による収入減や、離婚をされる方もいるかもしれませんし、子供の進学先によっては教育費も大きく変わります。親の介護による思わぬ出費や、自身が病気になるかもしれません。
挙げだすときりがないのですが、人生には予期せぬことが起きるリスクが多くあります。
35年という長期に渡って現状を維持できる方の方が少ないのではないでしょうか?

このような予期せぬことが起こった際に、これまでの住宅ローンの支払いを維持できなければ、
たちまち支払いに困窮し、住宅ローン難民となってしまうのです。
もし賃貸であれば今より安い家賃の物件に引っ越すなどの対策が取りやすいのです。

また、月々の支払いが家賃と同額だとしても、持家には住宅ローン以外に、
固定資産税・都市計画税が毎年かかりますし、マンションの場合は管理費や修繕積立金がかかります。
戸建の場合でも何か故障すれば直すためには費用がかかりますし、
外壁や屋根なども定期的に補修しなければなりません。
これらの維持費用も加味すれば家賃と同額とは到底言えない金額になってしまう可能性があります。

住宅ローン難民にならないための第一歩として、
チラシの売り文句にすぐに乗るのではなく、
自身の返済プランにある程度余裕を持った住宅ローンを組むということが大切なのです。

 

Filed under: 任意売却,住宅ローン難民,梅田:基地 — 中川 強 1:46 PM

【柴田文江020】成年後見制度と任意売却

家を売却するにあたっては通常に売る場合でも任意売却でも、所有者の明確な意思表示が不可欠です。
そして、不動産の購入や売却のみならず、預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、認知症・知的障害・精神障害などの理由で判断能力の不十分な方は、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。
また、自分に不利益な契約であっても正しい判断ができずに契約を結んでしまい、後に被害を被る恐れもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援する成年後見制度というものがあります。

成年後見制度では判断能力の程度など本人の状況に応じて「後見・保佐・補助」の3つの制度があります。
本人、配偶者、四親等内の親族、検察官などが家庭裁判所に申立てることにより、
判断能力が欠けているのが通常の状態の方=後見人
判断能力が著しく不十分な方=保佐人
判断能力が不十分な方=補助人
が選任されます。
また、身寄りがいないなどの理由で、申立てをする人がいない方の保護を図るため、市町村長に法定後見(後見保佐補助)の開始の審判申立権が与えられています。

申立ての際に候補者が挙げられていれば、家庭裁判所はその候補者が適格かどうかを判断します。
通常は親族が選任されることが多いのですが、適切な親族が見当たらない場合などは弁護士や司法書士等が職業後見人として選任される場合もあります。

後見人、保佐人、補助人はそれぞれ本人の利益を考えながら、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり、本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって、本人を保護・支援します。
しかし、自己決定の尊重の観点から、日用品(食料品や衣料品等)の購入など「日常生活に関する行為」については、取消しの対象になりません。

成年後見制度を利用するにあたっては申立手数料・登記手数料として3,400円の費用を印紙で納める必要があるほか、郵送等の実費や、必要な書類を取得するための費用、後見保佐では、必要なときに本人の判断能力の程度を医学的に十分確認するために、医師による鑑定を行いますので、鑑定料が必要になります。鑑定料は個々の事案によって異なりますが、ほとんどの場合、10万円以下となっています。

また期間については、審理期間については、個々の事案により異なり、一概にはいえません。鑑定手続や成年後見人等の候補者の適格性の調査、本人の陳述聴取などのために、一定の審理期間を要することになります。多くの場合、申立てから成年後見等の開始までの期間は、4か月以内となっています。早ければ1~2週間で完了することもあるようです。

任意売却の相談を受けた際に、所有者の判断能力に応じて成年後見制度が必要な場合、上記のような期間が必要であったりご家族に対して適格なアドバイス等も必要になってきます。
判断能力の不十分な方に対して無理矢理売却を進めてしまい、後で無効になってしまっては誰も得しないどころか当事者全員に甚大なる迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。
住宅ローン難民エールプランナーが適切な判断をし、ご本人やそのご家族に対して正しい選択肢へと導いてあげる必要があるのです。

Filed under: 任意売却,住宅ローン難民,梅田:基地 — 中川 強 8:21 PM

【柴田文江019】支払いの優先順位

毎月に住宅ローンの返済が厳しくなってくると、日常の出費を抑え何とかローンをやりくりするしかない、と考える方は多いです。
もちろん、節約をすることによって住宅ローンが維持できるのであればこれは大いに正しい選択なのですが、日々の出費の中にも様々なものがあります。
食費や教育費、保健料の支払いもあれば家を所有すれば固定資産税・都市計画税がかかりますし、マンションの場合は管理費がかかります。住宅以外にも車のローンや中にはクレジットカードの借入があり、その返済が必要な方もおられるでしょう。これらの項目の中には毎月の返済額が決まっており、節約でどうにかなるものばかりではありません。
全てを難なく支払えるのであればそれがベストなのですが、支払えなくなってしまった場合には項目別に優先順位をつけ取り返しがつかなくなる前に対策をとる必要があります。

①【生活費用】
食費や光熱費、通信費、教育費等日々の生活で欠かすことのできない費用です。つまり優先順位も一番高いのですが、いざ節約するとなると、この生活費用の中からなるべく費用を抑えていく必要があります。

②【税金】
住宅を所有していれば固定資産税・都市計画税、自営の方であれば住民税や国民健康保険料なども収める必要がありますが、税金に関しては仮に将来自己破産をしても支払いの義務を免れることはなく、必ず納付しなければならないものです。また、税金の滞納があると役所は自宅を差押えてくることがあります。これでは自宅を売却することもできなくなってしまいますのでそういった意味でも税金の支払いの優先順位は高いものと言えます。
どうしても納期限までの納付が難しい場合は何も言わずに滞納してしまうのではなく、役所に出向き相談してみてください。分納などの相談には乗っていただけるはずです。

③【マンション管理費・修繕積立金】
マンションに住んでいる方の場合、管理費・修繕積立金がかかっている事かと思います。
この費用に関して滞納があると、もちろん管理組合から請求されることになるのですが、場合によっては管理組合から訴訟を起こされるケースもあります。
売却時にも滞納分は次の所有者に引き継がれますので、滞納があるマンションをわざわざ購入する方はいません。つまり滞納分を解消する必要がありますので、管理費・修繕積立金に関しても支払いの優先順位は高いと言えます。

④【住宅ローン以外の借入の返済】
住宅ローン以外に借入がある場合、これらに対しても返済をする必要があるので大きな負担になっている方も多く見受けられます。
どうしても必要な車のローン等は優先順位を高く、維持する必要がありますし、大きな買い物をする際にクレジットで分割で支払うことも計画的に利用するのであれば問題はありません。しかし生活費に充てるためや住宅ローンの支払いのために借入れるといった状況になってしまっていれば、今後、明確に収入が上がる見込みがあり一時的に借入れている場合を除きほぼ間違いなく将来返済に行き詰ります。ましてやカードローンの返済のために別のカードローンから借入れるような自転車操業状態になっている場合にはすぐに何かしらの対策をする必要があるでしょう。
つまりこの項目が支払えない状況であればすでに現状維持が難しい状況に陥っているので優先順位としては低いと言えるかもしれません。

⑤【住宅ローン】
念願のマイホームを手に入れる為に組んだ住宅ローン、上記のように生活費を抑えることで維持できるのであればまだ問題はありませんが、税金や管理費、その他の借入の返済を滞納してまで支払ったとしても、結局その滞納している項目の債権者から差押えられ競売にかけられてしまえば本末転倒です。愛着のある家をどうしても手放したくない気持ちがあるので正しい選択をすることが非常に難しくなってしまっているのですが、節約をしても支払えないのであればこちらも何か対策を取っていかなければなりません。無理に支払ってはいけないという意味で住宅ローンの優先順位も低いものと言えます。

もちろん今回挙げた項目以外の出費もありますし、優先順位も人によって違うことでしょう。
しかし、誰にも相談できずに間違った選択をしてしまってからでは取り返しが効きません。返済に行き詰った際にはすぐに住宅ローン難民エールプランナーに相談してください。

Filed under: 任意売却,住宅ローン難民,梅田:基地 — 中川 強 11:42 AM

【柴田文江018】任意売却と生活保護

住宅ローン難民の方の中には、病気や高齢のため働けない方もおられます。
今までは仕事をし、住宅ローンを返済しながら生活していた方も、いつ仕事が出来なくなり住宅ローンの返済に困窮するのか分かりません。
そして仕事が出来なくなってしまえば、任意売却で住宅ローンの問題は解決出来たとしても、その後の生活がままならないということになってしまいますので、そういった場合は生活保護の受給をされる方もおられます。

今回は任意売却と生活保護について説明いたします。

そもそも生活保護とはどういったものなのかというと、
「生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。」
と厚生労働省が制度の趣旨を定義付けています。

生活保護の相談・申請窓口は、現在住んでいる地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。福祉事務所は、市(区)部では市(区)が、町村部では都道府県が設置しています。

生活保護を受けるための要件として、
生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。
つまり
・預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充てる
・働くことが可能な方は、その能力に応じて働く
・年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用する
・親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受ける
そのうえで、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、保護が適用されます。

ここで、住宅ローン難民の方にとっての大きな問題として、住宅ローンが払えないとはいえ不動産を所有しているということです。
収入が途絶え、住宅ローンが支払えないうえに、オーバーローンの為自宅は売りたくても売れないので、生活保護を受給しようと考えても、自宅を所有しているということで申請が通らないケースがあるのです。
このようなケースの場合、福祉事務所に対し、
・金融機関からの督促状
・自宅の売却を依頼した際の「媒介契約書」
等を提出し、今後確実に自宅を手放す旨を理解してもらえれば、生活保護の申請が通るケースもあります。

この場合、自宅が売れた際の次の転居先に関して、家賃の上限等の制約があります。
また、転居する際の転居費用に関しては引越し業者の見積もりを3社分以上提出することにより、その中の一番低い代金を支給してくれることがあります。

このように生活保護の受給をしながら任意売却を進める場合、福祉事務所に対して必要なタイミングで正確な申請を行う必要があります。
住宅ローン難民エールプランナーが生活保護受給に関しての申請や交渉のサポートをいたしますので、いつでもご相談ください。

Filed under: 任意売却,住宅ローン難民,梅田:基地 — 中川 強 6:19 PM

【柴田文江016】連帯保証人と任意売却

住宅ローンを組む際に、本人だけの信用だけでは借入が出来ずに連帯保証人を付けて借入をされている方は多くおられます。
配偶者や両親、義理のご両親という方もおられるかと思います。

もし、連帯保証人が付いている状態で毎月の住宅ローンの返済が出来なくなった場合はどうなるのでしょうか?
任意売却は可能なのでしょうか?

連帯保証人がついているケースを解説いたします。


そもそも保証人と連帯保証人の違いは?
保証人と連帯保証人は、主債務者が返済できなくなった際に、代わりに返済する義務を負うという点では同じですが、主に以下の3点で違いがあります。

1)金融機関等が(連帯)保証人に対して支払いを請求をしてきた場合、保証人であれば「まずは主債務者に請求してください」と主張することができますが(催告の抗弁権)、連帯保証人はそのような主張をすることができません。

2)主債務者が返済できる資力があるにもかかわらず返済をしなかった場合、保証人であれば主債務者に資力があることを理由に、金融機関に対して主債務者の財産に強制執行をするように主張することができますが(検索の抗弁権)、連帯保証人はこのような主張をすることが出来ません、つまり、主債務者に資力があっても金融機関に対して返済をしなければなりません。

3)(連帯)保証人が複数いる場合、保証人はその頭数で割った金額のみを返済すればよいのに対して、連帯保証人は全ての人が全額を返済する義務を負っています。

このように、保証人に比べて連帯保証人はより重い責任を負っていることになります。そのため現在、住宅ローンの借入をする際には保証人ではなく連帯保証人にすることがほとんどです。

連帯保証人がいる場合の任意売却
上記のように連帯保証人には主債務者とほぼ同等の返済義務が生じているのですが、もちろん主債務者が毎月の住宅ローンをきっちり返済していれば連帯保証人に対して請求が来ることはないので、順調に返済をしている間は連帯保証人になっている事などほとんど忘れてしまっているような方もおられます。
しかし主債務者が毎月の返済が出来なくなった際に、すぐに連帯保証人の元に請求が届いてしまうのです。

任意売却は、毎月の返済が出来ていない状態を経て金融機関から一括で返済を求められた(期限の利益の喪失)後にオーバーローンの状態で売却を進めるので、主債務者とともに連帯保証人も金融期間から督促を受けることになります。
つまり、主債務者の代わりに毎月のローンを返済するか、それが不可能なら連帯保証人も主債務者と同じように住宅ローンを滞納することになりますので、それに伴うデメリット(個人信用情報に傷がつく等)も主債務者と同じようなものがあります。

金融機関から同じように督促を受け、同じように個人信用情報に傷が付き、任意売却後の残債の支払い義務に関しても同じように負うわけです。
また、金融機関に対して任意売却の意思を伝える際も双方からの意思表示が必要な点でも任意売却を進める上では主債務者と連帯保証人はある意味、運命共同体と言ってもいいかもしれません。

言い換えると主債務者と連帯保証人のどちらかが任意売却に同意しなければ、それ以上話を進めることが出来なくなってしまいます。(こうなった場合、金融機関にしてみれば任意売却で少しでも多く回収する機会を失うわけですから最終手段の競売の申し立てを起こします。)

そして何よりも注意したいのは連帯保証人が不動産等の資産を保有している場合です。
連帯保証人が自宅等の不動産を保有している場合、主債務者の自宅の任意売却後の残債が残ってしまうと、金融機関は次にその連帯保証人所有の不動産を差押えることが出来てしまうのです。
そしてその不動産を競売にかけ残債の回収に充てるのです。
実際にはそこまで押さえに来るケースはあまり聞きませんが、いつでも差押えられてしまう状態に安易に持ち込むのは絶対に避けなければなりません。

住宅ローンの返済に困ったときに連帯保証人がついている場合、または逆に主債務者が住宅ローンの返済を滞らせ、連帯保証人である自分の元に金融機関からの督促が届いた場合は上記のような点にも配慮しながら、どのように進めるのが良いのかを住宅ローン難民エールプランナーとともに慎重に検討するようにしましょう。

 

 

Filed under: 任意売却,住宅ローン難民,梅田:基地 — 中川 強 3:08 PM

【柴田文江015】住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の任意売却②

機構のサービサーに対し「任意売却に関する申出書」を提出すると、次は価格査定書を提出するよう連絡が来ます。価格査定書も提出すると、1~2週間後にサービサーより売出開始価格の指示があります。指示があれば、速やかに専任媒介契約書(専属専任媒介契約書)とレインズ登録証明書をサービサーに対して提出します。概ね2週間以内に提出する必要があります。

販売開始後は一般の不動産売却と同じですが、月に一度「販売活動状況報告書」を記入し、サービサーに対して1か月間の販売状況を報告します。反響が少なく、販売価格の見直しが必要である場合はその旨も記入すれば値下げをすることもできます。
販売活動においては、少しでも高く尚且つ早く売却できるよう家の中を綺麗に保っておく必要があります。
積極的な販売活動(レインズ登録、ポータルサイト登録、折り込み広告、オープンハウス等)を行い購入希望者を見つけます。

原則、販売開始から6か月経過すると、競売の手続きに移行されてしまいます。しかし競売開始決定から入札期間が始まるまでも並行して任意売却をすることは可能なため、実質は【6か月間+競売並行の期間】に売れなければ競売で処理されてしまうことになります。

購入希望者が見つかれば、「購入希望者報告書」を用いて売買価格や購入者の情報を伝えます。
その後、売買代金の中から控除してもらう費用(配分)を確定させます。
配分の内訳は大まかには、
・不動産仲介手数料
・抵当権抹消費用(司法書士費用)
・後順位抵当権者に対する抵当権抹消応諾費用(ハンコ代)
・滞納管理費・修繕積立金
・差押債権者に対する差押解除応諾費用
・引越し費用(最近は控除してもらえない場合が多いです)
・破産管財人がついている場合は破産財団組入金
等を売買代金の中から控除してもらい、それを差し引いた金額を機構に返済することになります。

併せて購入者との間で売買契約を締結し、決済日を確定させます。
決済にはサービサーも抵当権抹消書類を持参しますので、決済場所には売主、買主、仲介業者、司法書士、サービサーが集い大人数で決済を行うことになります。

決済が完了すればひとまず任意売却自体は完了となりますが売却後の残債の支払い(毎月支払える範囲での金額)が始まります。

今回は住宅金融支援機構が抵当権者の場合の任意売却の流れを解説しましたが、他の金融機関であった場合も基本的な流れは変わらないので、住宅ローン難民エールプランナーと住宅ローン難民の方とが協力し合って任意売却を成立させることが重要です。

 

Filed under: 任意売却,住宅ローン難民,梅田:基地 — 中川 強 1:35 PM

PAGE TOP